言葉と物の歪な関係が生み出す、独自の物語

松山市の三津浜蔵やPAAC平和通りアートセンターなど、これまでに数多くの展覧会を手掛けてきた牛島光太郎。子ども向けのワークショップや、学校教育とは異なる視点から子どもの表現活動を育む「子どもの庭」など、多彩な活動を通して独自の表現活動を続けています。この度、PAAC平和通りアートセンターにて開催する展覧会「同意のない出会い」では、言葉と物の関係を歪ませ、新たな物語を生み出す作品を展示します。牛島光太郎ならではの視点と創造性が織りなす、独創的な世界をぜひご堪能ください。

『同意のない出会い』について

幼稚園の頃の私と若い頃の父が公園で手をつないでいる写真を部屋に飾っています。
昭和を振り返る目的でつくられた本を読んでいると、あるページに掲載された写真に目が留まりました。その写真は、私が部屋に飾っている写真と同じ構図で撮影されていました。公園の広さや遊具もとてもよく似ています。おそらく、撮影された時期も近いのではないかと思います。
それから、雑誌やインターネットなどから、同じような構図の写真を探し、集め始めました。
集めた写真を並べ眺めていると、自分の個人的な記憶が奇妙な形でひらかれていくような感覚になりました。
『同意のない出会い』は、何かが交換されながら、自分と他者が入れ替わるようなこの不思議な感覚を自分なりに整理する試みです。

牛島光太郎

photo：mugyuda hyogo