松山ブンカ・ラボ

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プログラム

スクールプログラム
まちと文化とアートの学校2019 第5回

「福祉でもないしアートでもない」

<ゲスト>
山森達也(アーツカウンシルみやざき・プログラムオフィサー)

今回と次回は《福祉でもないしアートでもない》《生きづらさと向き合うアート》と、いわゆる「社会包摂」「共生社会」という切り口でのテーマが続きます。この二つの回では、福祉や障害者芸術の観点からだけではなく、現代社会で表現やアートがどのようにして「分断」や「境界」と向き合うことができるのか?ということを議論していきたいと考えています。

ゲストの山森達也さんは、静岡県浜松市のNPO法人クリエイティブサポートレッツ(以下レッツ)にて長くスタッフをされてきました。レッツは障害福祉サービス事業をしながらも、福祉の領域を超え、社会の境界線を揺るがしていくさまざまな文化活動と場所づくりを行い、いまや福祉業界だけではなくアート業界からも評価の高いユニークなコレボレーションを展開しています。山森さんには、レッツでの「寛容な場づくり」を目指したプロジェクト等の事例を中心にお話しいただきます。

一方、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前にして、パラリンピアとしての文化事業への注目が集まっている状況も踏まえて具体的な「障害者芸術」に関する議論と考察も必要でしょう。例えば、2018年には「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」(障害者文化芸術活動推進法)も制定されています。文字通り、障害者の芸術表現や鑑賞、参加などの環境、制度等を整備することを目的とした法律です。なかでも注目されたのが障害者の「芸術上価値の高い」作品等の想像に対する支援の強化というところです。これは、昨今の「売れる障害者芸術」が市場価値を生む状況や、欧米のアール・ブリュット(美術の専門教育を受けていないひとの特異な表現)の隆盛に応える目的と言うことができます。

しかしこの法律に対しては「障害者の芸術」と「健常者の芸術」の分断を招くことへの危惧や「芸術上価値の高い」という指標に対する疑念の声もあります。あるいは生活の営みのなかで、自然と行われている創作や表現などが「芸術上」の観点から評価されたり、「芸術上価値の高い」創作活動に傾注されたりする懸念もあります。

こうした大きな枠組みや方向性のなかだけで、障害者支援の現場における表現や創作活動が規定されるわけではありませんが、山森さんは現在、宮崎県内の文化団体や活動、アーティストを支援する機関、アーツカウンシルみやざきプログラムオフィサーであり、宮崎県で来年度に開催する全国障害者芸術・文化祭にも携われています。大きな枠組み、制度のなかにいる立場として、どのように「障害者芸術」に寄り添うことができるのか?といったお話もお伺いしていきます。

ゲスト

  • 山森達也
    (アーツカウンシルみやざき プログラムオフィサー、認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ 元スタッフ)

    1980年相模原市生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒業。
    静岡文化芸術大学大学院文化政策研究科修了。専門は創造都市。
    ダイヤモンドの営業、映像製作、コンビニ夜勤などを経て
    2015 年から認定NPO法人クリエイティブサポートレッツに勤務。
    「のヴぁてれび」「スタ☆タン!!」「かしだしたけし」等の企画構成を行った。
    また個人プロジェクトとして、浜松駅前に 3 か月間ネット配信スタジオを
    オープンし、ゲスト 231 名、視聴者数約 5000 名の「くりみりゅ」等を開催。
    2019年からアーツカウンシルみやざきのプログラムオフィサーに就任。
    宮崎県内各地の芸術文化のネットワーク構築、文化を軸とした多分野連携、
    主催者育成の他、文化とソーシャル・インクルージョンの事業推進を行う。

  • カテゴリ
    スクールプログラム
  • 開催日
    2019.11.16(土)
  • 開催時間
    14:00~16:00
  • ゲスト
    山森達也(アーツカウンシルみやざき・プログラムオフィサー)
  • 会場
    愛媛大学 城北キャンパス総合研究棟2(3階 CRI-2)
  • 定員
    30名
  • 参加料金
    無料
  • 申し込み・お問合せ

    松山ブンカ・ラボ
    tel:070-3795-5403
    お申込み http://bit.ly/2QTO4zT