松山ブンカ・ラボ

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特集記事

2020.04.30 UP
VOL.
013
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〈シアターねこしんぶん〉コロナ禍特別号を発行~松山唯一の小劇場を支えよう

戸舘正史(松山ブンカ・ラボ ディレクター)

  • シアターねこと縁の深い演劇人たちが寄稿

    松山市唯一の小劇場〈シアターねこ〉が毎月発行している〈シアターねこしんぶん〉。5月1日発行の最新71号には、この劇場と縁の深い演劇人たちの現在の心象や想いが寄せられました。コロナ禍のなかでの9名の執筆者たちの切実な思考の足跡が、それぞれの立場や現状を踏まえて綴られています。巻頭には拙稿(「生命を守るという大義への疑い」)も掲載されておりますのでご笑覧ください。


    シアターねこしんぶんvol.71

    本号には愛媛県内だけではなく京都をはじめ県外からも記事が寄せられました。定期的に〈シアターねこ〉で公演をする京都の劇団〈下鴨車窓〉の劇作家、演出家の田辺剛さんは、当事者同士の「連帯」を求めます。「舞台芸術の世界は荒野と化しているはずだ」という危機感は、演劇のメッカ・京都の演劇人の言葉として切実に響いてきます。

    四国学院大学准教授で劇団〈サラダボール〉主宰の西村和宏さんは、5月に〈シアターねこ〉にてチェーホフ作『三人姉妹』を上演する予定でした。『三人姉妹』の最後、オーリガの台詞「楽隊の音は、あんなに楽しそうに、力づよく鳴っている。あれを聞いていると、生きていきたいと思うわ」を引き、舞台芸術の希望を消さずに「生きていこう」と西村さんは呼びかけます。

    阪神淡路大震災の体験とコロナ禍の状況を重ね合わせ「日々変化する状況と心境に向き合う」ことの大切さを思うのは、松山の劇団〈P.Sみそ汁定食〉の桝形浩人さん。混沌の中から「新しい表現」と出会うことの希望を語ります。

    松山の劇団〈だるまど~る〉の前田浩和さんもまたコロナ禍の状況を前向きに考えます。「いまだからこそゆっくり考えられる時間がある」と、そこに「新しい演劇」が生まれてくる可能性を見出していました。

  • コロナ禍の状況での表現

    コロナ禍の状況下、劇場をはじめ、ホール、ギャラリー、美術館等が閉鎖されるなかで、オンライン上では様々な表現の試みが行われています。

    京都の〈THE GO AND MOE’S〉の丸井重樹さんは、観る人の「想像力」に委ねた架空の公演「妄想コント」を紹介(https://mproduce.wixsite.com/gomo/next)。
    作品のタイトルやあらすじ、構成、上演時間などをWEBサイト上に公開し、観る人の「妄想」によって作品(コント)が成立していく試みです。「三密」を封じられた状況での舞台芸術の可能性を提示しています。

    四国内の舞台芸術、アート情報を日々発信している〈T.C.散歩人〉の秦元樹さんは「三密」回避下における演劇表現の傾向について「これまでに行われてきた表現で、今、掘りこされ注目しなおされているものもある」と指摘。条件が提示された物語を構築していくプレイバックシアターやメモリプレイとの類似性があると言います。

    一方で、京都の俳優、広田ゆうみさんはご自身もオンライン上で動画を発信しながらも、いわゆる「パフォーマンス配信」という形態に対する違和感を表明しています。広田さんの俳優、演劇人としての真摯な想いは次の言葉に体現されているのではないでしょうか。「この身の丈で、立つこと、手を伸ばすこと、声を発すること、それしか私にはできません。そのようにして、ただ、(小さな)世界に立ち、そのようにひとを、立たせるその世界を描き出したい」。

    今治市を中心に活動する〈劇団250㎞圏内〉の小嶋一郎さんは劇場に「集まれない時代」において「一人一人が実践してく」ことを提唱します。自粛要請や何か抗しがたい世間の空気のなかで、私たちに求められているのは小嶋さんの指摘するように「一人一人」が主体的にこの状況下と向き合う姿勢と実践かもしれません。

  • 松山唯一の小劇場シアターねこを支えよう

    〈シアターねこしんぶん〉は次号も特別編を予定しているそうです。本号にもあるように〈シアターねこ〉では、5月、6月は公演もイベントも稽古も全く予定が入っていません。松山唯一の劇場は窮地にあります。〈シアターねこ〉を支える 劇場支援会員への入会を検討されてみてはいかがでしょうか。

    ▼以下、シアターねこHPより転載

    シアターねこの劇場支援会員になると、2020年4月から2021年3月までの1年間、シアターねこ(愛媛)、こまばアゴラ劇場(東京)、津あけぼの座・四天王寺スクエア(三重)、テアトル=ドゥ=ベルヴィル(三重)、THEATER E9 KYOTO(京都)、アトリエ銘苅ベース(沖縄)、江原河畔劇場(兵庫)のほぼ全ての公演をご覧いただけます。

    劇場支援会員制度でご覧になれるシアターねこの作品一覧はこちらをクリックしてください。

    こまばアゴラ劇場(東京) http://www.komaba-agora.com/

    津あけぼの座・四天王寺スクエア(三重) http://akebonoza.net/shien.html

    テアトル=ドゥ=ベルヴィル(三重) http://theatre-de-belleville.tumblr.com/

    THEATER E9 KYOTO(京都)https://askyoto.or.jp/e9/

    アトリエ銘苅ベース(沖縄)https://www.m-base.okinawa/

    江原河畔劇場(兵庫・2020.3 OPEN)https://ebara-riverside.com/

    詳しくは、シアターねこ劇場支援会員サイトでご確認ください。
    https://sites.google.com/site/theaternecoshien/

     

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